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分析主体のことば(AMPのHPから抜粋)

分析はブラックボックスのようなものなので、なかなか外からそのプロセスやなにが起こっているのかは分かりにくいと言われます。そのとおりだと思いますし、そのうえ、分析ではひとりひとり、まったく個別的なプロセスを辿るため、一般化するのがとても難しいとも思います。

 

それにかんして、AMP(世界精神分析協会)のHPに、「分析主体が説明する精神分析」というコーナーがあるのを見つけました(最初のページの下のほう)。分析主体(分析を受けている人)が、自身の分析にかんして簡潔に2分程度で語るというコーナーです。

そのコーナーでは何人かの証言が「分析主体のパロール(ことば)」としてオーディオ音源で掲載されており、じかに聞くことができるようになっています。

今回、ダニエルという名の人が語っているものを訳しました。タイトルは「分析家の選択」です。ダニエルがどのように分析家を選んだのかや、どんな分析となったのかなどを、かいま見ることができます。

 

ダニエル(AMPのHPより引用)

 

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パートナーの発明(ジャック=アラン・ミレール)について

2025/10/19

ジャック=アラン・ミレール氏はラカン派のおそらくもっとも有名で代表的な精神分析家であり、ラカンのセミネールの編集をラカン本人から任された人物です。日本では彼は理論家として有名だと思いますが、彼自身、数多くの分析家を生み出している卓越した臨床家でもあります。今現在80歳を超えてもなお彼の待合室には分析を求める人たちが数多く、世界各地から集まっています。

私は今夏渡仏した際、彼が次の分析主体を呼びに分析の部屋と待合室とを、片足をひきずりながら何度も往復する姿を見て、とても胸を打たれました。

 

ミレール氏がラジオのフランス・キュルテュール(フランスの文化・教養)社の番組に出たときの一回分をたまたまネット上に見つけたので、訳して載せます。これは「精神分析の歴史」というタイトルがついたシリーズもので、14回目のエピソードにあたります。人気のラジオ番組のなかでわかりやすく精神分析とはなにかを語ろうとしているものです。

タイトルは『パートナーの発明』。欲望、享楽、そして愛がテーマになっています。

 

※ネット上から得た資料が元になっています。また私訳となります。以上をご了承のうえご利用ください。

パートナーの発明

 

 

 

 

 

 

よくある質問

カウンセリングや分析は、友達に話すお喋りとは何が違うのでしょうか

 

いろいろなことが考えられるのですが、まず最初の大雑把な答えとしては、それは相談する方次第であるというものです。というのは、カウンセリングや分析で何を話すかというのは相談する方が自由に決めることが多いと思われるからで、もしかりに友達に話すお喋りを望むのであればそうなる可能性があります(ただしそれへの返答は友達がするのと同じではないかもしれませんが)。

 

とは言え、やはり相談室に来て実際に何かを話すということは、「この人なら友達には話せないようなことでも話せる」とか、「何か自分のことなのに自分では分からないことを、この人なら理解してくれるかもしれない」といった気持ちがあると思われます。その時感じている苦しさや辛さ、症状などを、いったん話してみて相手にゆだねてみることで、苦しみが軽減したり症状が解消するのではないかと期待する・・といった気持ちがあると思います。

 

このような気持ちはとても大切なもので、自分が思っている以上のことを話す結果をもたらすことがあります。また自分が言おうとしていること以上のことを語る結果をもたらすことがあります。話すという行為には、すでに頭のなかにある考えを説明すること以上の何かがあるものです。また話しながら、なぜか頭のなかにことがらや思い出がぷかぷかと浮かんでくることもあります。場合によっては一回の面接でそういったものがいくつか連鎖して出てきて、遠くまで行きつくこともあります。もちろんそのようなことが起こらないこともあります。

 

まずはカウンセリングや分析をやってみることが、この質問にたいするご自身の答えを得るためには、必要になると思われます。

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