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第15回 AMP大会について(1)

第15回 世界精神分析連盟(AMP)大会について (1)

 

ラカン派の精神分析の国際的団体(AMP)が主催するいちばん大きな大会は、2年に一度、フランスや南米などで開催されます。
今年はその第15回めにあたり、パリで催されました。大会テーマには「性的関係は存在しない」(ラカン)が選ばれ、それについて2年間勉強会が世界各地で催されるなどして、当日を迎えます。

 

AMP大会そのものは、5月2日(土)、5月3日(日)の、(現地時間)14時~20時の二日間に渡りました。これはAMPに所属する精神分析家だけでなく、精神分析に関心のある様々な人たちが参加可能な、開かれた学会です。
当日の発表からは、現地参加とオンライン参加あわせて2600名が参加したとのことです。

 

また大会そのものとはべつに、大会前の4日間は、AMP所属の分析家のみが参加する会合が開催されました。

① 4月28日(火)「パスとの会合」 14時~18時30分
② 4月29日(水)「エコールUneの会話」 14時~19時
③ 4月30日(木)、5月1日(金)の二日間 「症例検討会」 14時~20時

 

計6日間に渡った第15回AMP大会ですが、日本のゴールデンウィーク期間とかぶったおかげで、私もすべてオンラインで参加ができました。そこで大会の様子を、順を追って、簡単に書き残しておきたいと思います。

 

①4月28日 パスとの会合

パスとは、自分自身の精神分析を最後までやりきったと考えるひとが、そのことを団体に認めてもらう手続きのことです(この記事を参照)。パスというその手続きを経て認められたひとは、今回のような会合で、自分の分析がどのようなものであったのかを、証言することになります。いわゆる「パスの証言」と呼ばれるものです。
精神分析はひとりひとりとても個別的なものです。精神分析のプロセスはひとによりかなり異なりますが、そこから普遍的なものを取りだして皆で学んでいくことが、精神分析を伝達していくうえで、また学問的な発展のために肝心なことになります。

また、とくになにかテーマがあり、それについて分析経験から話をしてもらうこともあります。

この日の「パスとの会合」は、二部構成で進められました。

第一部は、脱存在désêtreのとき、というタイトルで、Neus Carbonellら5人が発表を行い、第二部はパスのあとで、というタイトルで、Patricia Bosauin-carozら3人が発表を行いました。

 

②4月29日 「エコールUneの会話」

 

AMPは7つ以上の団体(エコール、スクール)を傘下にもっています。その団体ごとにちがう歴史があります。それらの団体の垣根をとっぱらって、対話を行うのが趣旨と聞いたことがあります。
この日は3部構成になっていました。

第一部では、セルゲイ・パンケイエフ(症例「狼男」の本名)のもつ主体の空虚(感)というテーマで、ジャン=クロード・マルバルが発表し、エリック・ロランが討論者として登壇しました。第二部は精神分析家たちによる精神科(精神医学領域)での実践というタイトルで、デフューら3人が発表し討論されました。第三部は精神分析的な短期間の治療というタイトルで、リカルド・セルデスら3名が発表しました。CPCTと呼ばれる、無料で精神分析的セッションが期間と回数限定で受けられる機関における治療について、討論されました。

 

③ 4月30日、5月1日 「症例検討会」

症例検討会はグループに分かれて行われました。今回の大会テーマ「性的関係は存在しない」(ラカン)になんらかのインスピレーションを得た症例、もしくは、テーマをめぐってなんらかの知見がもたらされるであろう症例が集められました。集まった症例がさらに細かく分類され12の部屋にグループ分けされたところで、参加者が事前にどこの部屋に参加したいかを選ぶスタイルとなっていました。検討会の初日と翌日、それぞれ12の部屋から選びます。

細分化された色々なテーマ、どの精神分析家の症例を聞きたいかや、また、どの言語の同時通訳がつくのかも、参加する部屋をえらぶのに大事なポイントとなりました。

 

だいたい午前と午後5ケースずつ発表がおこなわれ、それに質疑応答が行われるかたちになりました。二日間だと合計20ケースを聞いたことになります。ひとつの部屋はだいたい100名から150名ほどが参加していたようです。

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