すぐに話したいことがあるのに、生育歴も話さなければならないのでしょうか。時間がもったいない気がします。
面接の進め方についてですが、初回はまず悩んでいることや困っていること、どうなりたいのか、どんなことを求めて相談室にきたのかなどを、自由にお話ください。またその背景、いつから悩みが始まったのか、どういう状況で起きたのかなどもお話ください。
多くの場合その後の面接で(2回目以降)、生育歴をうかがうようにしています。これを予備的な面接と呼んでいます。どこでどんなふうに生まれ育ったのかということや、印象に残っている出来事、また大きな病気や入院をしたことがあるかなど、個人的な歴史に関することです。
時にもどかしく思うことがあるかもしれませんが、予備的な面接は、その後、継続的な面接に入るかどうかを決める上で大切な面接です。
たとえばご自身の歴史を話しているときに、どうしても話せないところ、話したくないところが出てくることがあります。それがなぜなのかを考えてみることもよいことです。そこには色々な理由があると考えられます。
話せないところを無理に話さなければならないわけではありません。お話は自分のタイミングで、話せるときに話すのが一番です。ただ、少なくとも今は話せないことや話したくないことがあるのだなと、ご自身で知ることが大切です。つまりこんな風にしてすでに自分を知っていく、理解していく作業が始まっていると、考えることができます。
また予備的な面接をしている期間に、稀に相談室ではお引き受けできないという判断をする場合があります。色々なケースがありますが、たとえばHPのご相談項目・料金ページで言及している「お引き受けできない場合」に該当することを、ご本人が話し出す場合です。申し込みの時と初回面接の時はそのことを忘れていたため来室して相談することになったが、話しているうちに思い出したということが実際に起こるのです。
以上のような理由で、予備的な面接というのは飛ばしてすすむことができない、大切なものと考えています。人によって期間は変わりますが通常2回目から4回目くらいの面接のあいだで終わり、その後どのように面接を進めていくか(何を目的にするのかや料金、時間、面接の間隔、キャンセル料などの設定)を話し合い取り決めをしてから、継続的な面接に入ることになります。
またすでに精神科や心療内科などの医療機関にかかっている方の場合、継続的な面接に入るまえにその担当医からの紹介状を持参してくださるようにお願いする場合があります。