コラム
すべてを言うことについての欺瞞
2026年度NLS大会のテーマはヴァリテvaritéです。
この語は、真理 véritéと多様性 variétéをかけた、ラカンの造語です。
そのテーマに関連する小論、エレーヌ・ボノーが書いた短い記事「すべてを言う(全部話す)、についての欺瞞」を見つけました。(https://www.hebdo-blog.fr/limposture-du-tout-dire/)
エレーヌ・ボノーはパリで活躍する精神分析家で、大人だけでなく子どもを対象に分析家としてかかわった経験も長くお持ちの方です。2023年には日本ラカン協会で秋のワークショップを開催して下さいました。著書も3冊あり、そのうち1冊は邦訳も出ています。
この記事では子どものつく嘘や、心的リアリティの問題に触れています(なお、最後に出てくる「本当の嘘をつく」という表現は、フランスのシュールレアリスム作家ルイ・アラゴンをボノーは参照しています)。